超金持ちともなると一人一人のニーズは著しく異なり、プライベートバンカーは時間と体力を最大限に顧客に捧げなければならなくなる。
私は25年で15名の顧客とのみ個人契約した。顧客の期待を維持するためには、この人数が限界だった。
超金持ちの世界は一般の富裕層と比べても別世界であると言ってもいい。
「Incitement」、すなわち顧客に行動を促したり誘導したりすることを営業マンが行うことはタブーなのである。
個人で簡単に100億円以上の資金を自己判断で動かせるような人は、成功した起業家がほとんどである。
そして、彼らには蟻のように多くの人が群がっており、噂話を含めて情報は豊富に手にしている。
さらに、プライベートバンカー以上に深い専門知識を持っており、中途半端な意見は邪魔でしかない。
彼らとどのように取引が進んでいくのかと疑問を持つ方もいるだろう。