今回はフィリピンの警察についてお話ししよう。刑務官は「袖の下」次第だが、警察官はより効率的に「バイト」している。

私は、マニラ警察のアドバイザーを務める一方、本業は日系大手建設会社の社員だった。日本からの訪問者への護衛と安全性の担保をいつも本社から指示されていた。表向きは警察・軍隊OBが経営するセキュリティー会社に依頼するのだが、実働部隊は現役警察官であった。

日本からの訪問者が来た場合、空港の通関から別出口から早く通過させ、パトカーで渋滞を避けホテルへお連れする。それだけでなく、客が繁華街をハシゴする際は、ボディガード代わりに警察官を私服で帯同させ、一緒に飲み食いしていた。もちろん、その都度に警察官への「現金」は必要だった。彼らは「神への寄付」と称していた。

会社の経理上、「神への寄付」の資金をどう用意していたかは聞かないでほしい。もう時効であるが、そういう時代もあったということである。昔は日本も大して変わらなかったと私は理解している。単に時間差があるだけだ。

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