日本政府が用意してくれた通訳を介し、数多くの質疑応答と書面の説明を受け無事日本に入国することができました。ボランティアの方が作ってくれたボルシチを口にした時、子供達は溢れる程涙を出していました。そして、子供達が『パパの分を残してあげようね』と呟いた時、「我が子は天使だ。生きていればチャンスはある」と、心の底からみなぎる生存へのエネルギーを感じました。

日本でSIMカードを購入し、安心して夫や国内外へ避難している親族や友人と対話ができるようになりました。戦況については、日本で報道されている情報以上であると思ってください。当事者ではない日本では、惨状を伝えることはありません。夫も防衛に参加していますが、前線ではなく物資移動のチームですので、全容把握はできないとのことです。しかし、防衛だけでは限界があることは、戦線に参加している軍人も一般市民も共通して認識しているとのことです。

実はウクライナ国民は、ロシアが侵略してくる可能性を10年ほど前から強く感じていました。実際、ロシアは国境付近に地雷を設置し始め、軍の配備も着々と進んでいました。ただ、世論は「得るものより失うものが多いので戦争まではしない。単なる威嚇おどし」という楽観論と、「プーチンは必ず侵略してくる」と警戒する見方に二分されていました。

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