私はブラジルから国費留学し、日本の国立大学院でエネルギー政策を研究し、現在は政府系シンクタンクで仕事をしている。

 

資源輸出国の社会で育ち、資源輸入国である日本の制度の中で働くようになってから、この国のエネルギー議論には独特の特徴があるように感じるようになった。

 

日本ではエネルギー問題が日常的に語られている。

 

テレビや新聞では国際情勢や価格の変動が丁寧に報じられ、元高官や金融市場の専門家、エコノミストが意見を述べる場面も多い。

 

こうした議論は社会に関心を促す意味で大切なものだと思う。

 

その一方で、現象の説明が中心となり、エネルギーの仕組みそのものをゆっくり理解する機会は、やや少ないのではないかと感じることもある。

 

象徴的なのが、「日本は原油の94%を輸入している」という言葉である。

 

この説明は事実であり、日本の資源制約を示す重要な指標でもある。

 

ただ、この一文だけでは、日本という国のエネルギーの姿が十分に立体的に伝わるとは言い難い。

 

多くの人は自然に、残りの6%は国内生産だと考えるかもしれない。

 

しかし実際には、日本の原油国内生産は需要の1%にも満たない。

 

新潟や秋田、北海道には現在も油田が存在するが、その規模は国家のエネルギー需給を左右するものではない。

 

では、この統計上の差はどこから生まれるのだろうか。

 

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