地下水脈のように世界を巡る「シャドー・マネー」
世界第2位の経済大国、中国。
この巨大な市場で、暗号資産（仮想通貨）は「麻薬」と同じように厳しく断罪され、取引もマイニングも全面的に禁止されました。
政府は国民の金融活動を完璧に掌握し、資本の自由な移動を許さない鉄壁を築いたはずでした。
しかし、その強固な壁の裏側では、数十兆円、あるいは数百兆円とも推測される巨額の中国マネーが、デジタルな地下水脈となって世界を巡っています。
それは、監視を逃れた不法な富であり、グローバルな金融ハブの「抜け穴」を猛スピードで通り抜け、国際的なマネーロンダリング（資金洗浄）の巨大な燃料となっているのです。
この前編では、中国が暗号資産を禁止した深遠な理由と、その禁止措置が、いかにして海外での巨額な資金洗浄ビジネスを加速させてしまったのかを解き明かします。
