高市首相の10月4日の自民党総裁選での予想外の勝利は直ちに株高・円安の反応をもたらしましたが、それから1ヶ月が経ち、日経平均は5万円を超える高値圏を維持する一方、ドル/円は節目の155円の目前で概ね踏みとどまっています。
日本国債の長期債利回りは確かに上昇していますが、最近のレンジを大きく上抜けたわけではありません。
金融市場はある程度まで安定を保ってきたと言えるでしょう。
この背景には、公明党の連立離脱に対し日本維新の会へと直ちに連立相手を変更して首相就任を確実にし、就任直後のトランプ大統領の訪日や韓国での習近平との会談を乗り切るなど、高市首相が現実的な政治手腕を示し、市場に安心感を与えたことがあると思われます。
こうした点は一般国民にも支持されており、11月16日に発表された朝日新聞の最新世論調査でも、高市内閣の支持率は69%と10月の発足直後調査の68%からほとんど変わっておらず、特に日米首脳会談を「評価する」という回答は67%を占めています。
しかし、先週には高市氏について外国人投資家が事前に懸念していた2つの要因、すなわち
(1)日中関係と
(2)財政規律について警戒すべき動きが出てきました。
このため、今週の高市政権の対応次第では、市場で「高市リスク」が再び意識されるようになる可能性があります。
