銀座の片隅で、かれこれ半世紀バーを営んでおりますが、今年の夏は格別です。
肌を刺すような日差しと、まとわりつく湿気。
これほどまでに厳しい夏は、私の記憶にはございません。
しかし、最近目にするセレンの記事によれば、この猛暑もはや「標準」となるのだとか。
そう聞けば、知力ある者としては、この現実を受け入れ、新たな夏の楽しみ方を見出すしかありません。
さて、世には様々なお酒が溢れていますが、私にとって、ビールほど世界中で愛されているアルコールはないと常々感じています。
手頃な価格で、心地よいアルコール度数。その普遍的な魅力は、もしかしたら人類の文化そのものを支えてきたと言っても過言ではないかもしれません。
ここ日本では、「とりあえずビール」という言葉が市民権を得ています。
ビールを造る職人さんたちにとっては、少々失礼に聞こえるかもしれませんね。
最近では、この言葉を戒めるようなCMさえ流れています。
しかし、私はこの言葉こそ、ビールがこの国でどれほど深く愛されているかの証だと思っています。
「まずはビール!」と、これほどまでに最初に選ばれるアルコールが他にあるでしょうか?
ただ、多くの方が未だに誤解されていることがあります。
それは、この猛暑の友である「生ビール」についてです。