「おい、こんなに人がいて、どこが風情があるんだ?」

 

「もう、日本の観光地は外国人ばかりで、日本人には優しくないね」

 

そんな声が、私の耳に届くたびに胸が締め付けられます。

 

観光専門誌の編集長として、そして政府知識人会議の一員として、日本の観光の未来を真剣に考える者として、この現状を看過することはできません。

 

現在、日本は歴史的な円安を背景に、記録的な勢いで外国人観光客が押し寄せています。

 

2025年には7,000万人を超える観光客が来日すると予測されており、これは日本の経済に多大な恩恵をもたらす一方で、私たちがいま直面しているオーバーツーリズムという深刻な問題も引き起こしています。

 

交通渋滞、自然環境の破壊、宿泊費の高騰、そして何よりも地域住民の生活環境の悪化と、それに伴う「観光客嫌悪」の広がり。

 

 

これは、日本が世界に誇る「おもてなし」の精神を根底から揺るがしかねない危機です。

 

私自身、政府の諮問機関でこの問題について議論を重ねてきましたが、残念ながら政府や官僚の方々の対応は、お世辞にも積極的とは言えません。

 

 

確かに、オーバーツーリズムは多岐にわたる複雑な問題であり、一朝一夕に解決できるものではありません。

 

しかし、だからといって何もしないという選択は、未来の日本にとってあまりにも大きな損失です。

 

先日も、私たちが会議で議論した内容がなぜか外部に漏洩し、あたかも独自の見解であるかのようにテレビ番組で報じられていました。

 

正直、憤りを感じる一方で、この問題への世間の関心の高さも同時に実感しました。

 

これは良い機会です。

 

皆さんと一緒に、この難題に真剣に向き合っていきたいと願っています。

 

表面化するオーバーツーリズムの具体的な課題急増する観光客が引き起こす問題は、多岐にわたります。

 

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