大切なご両親の終の棲家選び、本当に「安心」と言えますか?
元信用金庫専務理事として、皆様に警鐘を鳴らしたいと思います。
かつて、私が勤務する大手信用金庫には、「老人ホーム経営」に関するご相談が後を絶ちませんでした。
一見、老人ホーム経営は安定した収益が見込める魅力的な土地活用の一つであり、高齢化が進む現代において、その需要は高まる一方であると考えられていました。
実際、当庫でも一時、「老人ホーム担当チーム」を立ち上げ、新たな収益の柱に育てようと注力していた時期がありました。
しかし今、私は皆様に問いかけたいのです。
「老人ホーム経営は、本当に揺るぎないものなのでしょうか?」と。
確かに、現在も収益を上げている施設は存在します。
しかし、昨今の状況は大きく変化し、経営者の手腕一つで収益が大きく左右される厳しい時代を迎えています。
運営が適切でなければ、破綻という現実がすぐそこまで迫っていると言っても過言ではありません。
そして、この状況は、私たちがご両親のために老人ホームを選ぶ際、これまで以上に慎重な判断を求められる時代になったことを意味します。
金融機関は、守秘義務と自己防衛の観点から、「老人ホームの実態」を公に語ることはありません。
メディアの報道も、華やかな高級老人ホームや、目を覆いたくなるような事件のあったホームに偏りがちで、真の姿はなかなか見えてこないのが現状です。
だからこそ、ここでは、金融機関の内部に身を置いてきた私の視点から、老人ホーム業界の知られざる現状と、これから私たちが直面するであろう未来について、率直にお話ししたいと思います。
そもそも、なぜ これほどまで多くの老人ホームが設立されたのでしょうか?