「まさか、こんなことが…」そう思っているのはあなただけではありません。
私たちは後世の歴史の教科書に太字で記されるような転換点に立ち会っているのです。
今回の相場変動で多くの個人投資家が痛手を被ったのではないかと思います。
しかし、決して忘れてはならないのは、個人であろうと、巨大な機関投資家であろうと、投資の最終的な責任は他でもないあなた自身にあるということです。
ジェットコースターが急上昇と急降下を繰り返すような市場の激動の中でも、容赦なく資産を飲み込むブラックホールと、想像を遥かに上回る富を生み出す黄金の泉が同時に存在しています。
この魅力と危険が隣り合わせの投資の世界に足を踏み入れたならば、最低限、いや、絶対に理解しておかなければならない心得が存在するのです。
私はシンガポールを拠点に数兆円の資金を動かすファンドマネージャーです。
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東京のトップ外資系投資銀行に新卒で就職し、血と硝煙が立ち込めるようなトレーディングフロアでキャリアを開始しました。
若い頃には高額の給料に満足していた時期もありましたが、大手グローバルファンドの凄腕のファンドマネージャーたちと意見を交わすたびに、彼らの知識と経験の深さに圧倒されるようになりました。
日本のプロ野球とメジャーリーグ(MLB)の差を見るようでした。
成果に対する報酬、そして実力主義のレベルが全く違うのです。
「このままではいられない」。そう強く感じ、大手ファンドに転職するチャンスを窺う日々が始まりました。
私は飢えた獣のように情報を貪り集め、採用されるレベルに達するために分析力と判断力を徹底的に磨き上げました。
そして10年前に幸運にもポジションに空きが出たため、30人ものライバルとの激しい競争を勝ち抜き、ようやく今の職場にたどり着きました。
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憧れの椅子を掴み取った喜びは今も鮮明に覚えています。
今日は、そんな私が市場の最前線で何を感じ、何を考えているのかを、投資の現場のプロとしてお伝えしたいと思います。
上から目線で批判をしたいわけではありません。
一人でも多くの個人投資家が不必要な損失を被ったり、悪質な罠に陥ったりするのを防ぎたいという願いがあるからです。
私は普段は一般向けに情報発信することはありません。
私の言葉が十分に届くかどうか、正直なところ不安を感じていますが、一切忖度のない話をしたいと思っています。
2回のシリーズで、負ける投資家の6つの特徴を挙げさせていただきます。
1 負ける投資家は現実を見ない