親の努力、子の負担 — 日本の相続税に意味はあるのか
もし、あなたが血のにじむような努力で築き上げた財産の半分以上が、死後、国に奪われるとしたら——あなたはそれを甘んじて受け入れられるだろうか?
日本の相続税は、先進国はおろか、アジア諸国と比較しても突出して高い。
最高税率は驚異の55%。
これは、一定額を超える遺産の半分以上が税金として徴収されることを意味する。
戦後の財閥解体を目的に導入されたこの制度は、時代錯誤にも未だに存続し、富裕層のみならず、私たち一般家庭の財産をも容赦なく蝕んでいるのだ。
例えば、都心の一戸建てに暮らす高齢夫婦が亡くなったとしよう。
土地の評価額は数億円。
しかし、彼らの収入はわずかな年金のみ。
遺された子どもたちは、高額な相続税を支払うために、泣く泣く家を手放さざるを得ない。
こうした悲劇は、決して他人事ではない。
事業を営む家庭でも、相続税の重圧に耐えかね、何代も受け継いできた大切な企業を売却するケースが後を絶たない。
ここで、冷静に考えてほしい。日本において、相続税は本当に必要なのだろうか?
世界に目を向けてみよう。
まず、先進国の現状はどうか?