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銀座で生まれ、銀座で育ち、銀座で働き、もう80年が経つ。
こんな人生を過ごす者は、もう居ないでしょう。
殆どの銀座の地権者は、銀座外に住む時代である。
私が所有するビルにも数軒の飲食店があるので、時折、立ち寄ることもある。
独りで伺うので、カウンターの隅でサービスを受けることが通常であり、当然、他のお客様の話し声は十分に聞こえてしまいます。
多くのお客様は、銀座で飲食をするステータスのようなものにお金を払っている気がしている。
確かに、30~40年ほど前までは、銀座の飲食店は最高技術とサービスを競い、プロの世界を演出していた。
しかし、今の銀座は違う。
少し減ったとはいえ、銀座には鮨屋だけでも170は在る。
もはや、鮨よりも、ワインや日本酒で稼ぎ、外人相手の異常な価格帯に突入している。
日本の会社員が自腹で行けることはない。
蕎麦屋も同じである。
私が知っている銀座はもう存在していない。
生まれ育った銀座の悪口を言い続けるつもりはないが、価値ある銀座復活の一助になりたく呟いてみたい。
先ずは、「銀座に本格的蕎麦屋は無い」を話そう。
蕎麦の「つゆ」と「日本酒」について、知っておいてほしい。
その視点から「銀座に本格的蕎麦屋は無い」ということも理解できる筈である。