2024年は世界人口の半分近くで選挙が実施された異例の「選挙イヤー」でした。
重要なのは、大半の国で与党が敗北したことです。
G7では、11月5日の米大統領選挙でトランプ氏が返り咲き、7月4日の英総選挙で労働党が14年ぶりに政権を奪回しました。
7月のフランス総選挙と10月27日の衆院選では与党が過半数を失いました。
来年に予定されるドイツとカナダの総選挙でも政権交代が予想されています。
今年6月のG7 プーリア・サミットに参加した首脳のうち、安定政権を維持しているのはイタリアのメローニ政権のみです。
アジアでも、1月13日の台湾総統選挙では蔡英文政権の後継者の頼清徳氏が勝利しましたが、同時に実施された立法院選挙では与党・民進党が第二党となっています。
4月10日の韓国総選挙では野党「共に民主党」が圧勝し、12月の非常戒厳の一因にもなりました。
4〜6月のインド総選挙でも、モディ首相のインド人民党(BJP)が過半数を失いました。
与党が勝利したのは、3月のロシア大統領選挙、7月のベネズエラ大統領選挙、10月のジョージア総選挙など、権威主義的な国のみです(しかも、ベネズエラとジョージアは選挙結果に疑義が呈されています)。
こうした選挙結果により、現在の世界が大きな変革期に入っていることが誰の目にも明らかになったと言えます。
今年最後の本コーナーでは、2回に分けて世界の長期的な潮流を考えたいと思います。