前号で、営業マンの話し方にどのようなリスクが潜んでいるか、気づいたことはありますか?
今回は、知る人ぞ知る「集団感染」・「第三者話法」スタイルと呼ばれる営業手法についてお話しします。
この話法は、一般の方には馴染みがないかもしれませんが、一部の営業マンの間では「成績が上がる方法」として一時期流行していたものです。
具体的な例を挙げて説明しましょう。
例えば、ある大企業の社宅に50世帯ほどが住んでいるとします。
営業マンは、その社宅に住む人々へ少しずつ「選ばれたあなたへの特別オファーです」というDMを送り、電話連絡を待ちます。連絡が入ると、訪問して「すでに数名の方が契約していますよ」と話を持ちかけ、少しずつ契約者を増やしていくのです。
こうした話法は、特に住宅販売や住宅ローンなど、高額かつ競争意識を刺激しやすい商品に効果的でした。
社宅の住民が優越感を得られるように、まるで「あなたには特別なチャンスがある」といった感覚を与えるのです。実際にこの手法で成果を出し、表彰された銀行員も少なくありません。
最近では、この手法を進化させて話法が、金融商品や投資関連(不動産含む)の営業にも使われ始め、問題視されるようになっています。
実際に、私のもとにもこの手法に似たトークを用いる営業マンが訪れ、巧妙に説得を試みることがありました。
次に、この話法の詳細と、それが引き起こす「予想される事故」について考察していきます。