ドナルド・トランプの知られざる不動産ビジネスの一面をお伝えしようと思います。
これは彼がまだ投資資金調達に苦しんでいた若き日の実話で、アメリカの不動産業界でも知る人は少ないエピソードです。
先日、少しお話ししたので今回は約束通り、決して彼を貶める意図なく、その背景をお話ししましょう。
トランプが初めて「トランプ」という看板を掲げたプロジェクトは、ニューヨークのマンハッタンに位置する「グランド・ハイアット・ニューヨーク」ホテルの開発でした。
(現在のグランドハヤット ニューヨーク)
このプロジェクトは、1970年代後半、古びた「コモドール・ホテル」を買収して再開発することで始まります。
彼はシティバンクとハイアットという名だたる企業と提携し、ニューヨーク市からも税制優遇を引き出すことに成功しました。
この成果は、彼のビジネスで「トランプ」の名が大々的に掲げられた初のプロジェクトであり、今やブランド戦略の一環として語られるものです。
しかし、彼がまだ資金力に乏しく、大手投資家に頼らざるを得なかった当時、このプロジェクトは簡単に進んだわけではありませんでした。
ホテルに「トランプ」と大きく名を掲げたものの、パートナーであるハイアットとの間で意見が対立し、投資家の中にもトランプの行動に反対する者が現れたのです。
トランプは、すべての反対意見を押しのけようと画策しましたが、その方法は驚くべきものでした。