玉木雄一郎氏の不倫スキャンダル報道は、首相指名を目前に控えた絶妙なタイミングで一気に拡散し、多くのメディアがそれに飛びつきました。
売上至上主義に徹する日本のメディアが、この「タイミング」を狙って視聴率や販売部数を伸ばそうとしているのは明らかです。
このようなゴシップ報道は確かにメディアの収益源の一つであり、特に話題性のあるスキャンダルは人々の関心を引きつけやすいものです。
しかし、こうした収益性に依存しすぎる日本のジャーナリズムの状況には、疑問を感じざるを得ません。
ジャーナリズム本来の使命である「公正な報道」や「真実の追求」が、こうしたゴシップ的な要素に埋もれてしまっているのが現状です。
不倫は良くないことではありませんが、メディアがこれほど血圧を上げて大騒ぎする必要はありません。
ジャーナリストは、公職や会社役員に対しては、その実力で判断すべきだという意識が根付いているはずです。
事実、私が所属する米系メディアでも、日本の報道業界から転職を希望する人が後を絶ちません。
その多くは、日本国内の報道機関での待遇が不十分であったり、昇進の機会が限られているため、より良い収入や成長の機会を求めて外資系に活路を見出そうとしているのです。
日本は、多くの知的財産が世界最高峰にありますが、メディアは相当営利に蝕まれた世界になっていると言わざるを得ません。
もう少し現場事情をお話しすれば、日本のメディア(SNSを含む)の質がいかに低下しているかがわかると思います。