10月29日の日本経済新聞朝刊に掲載された、【香港、中国本土から100万人受け入れ 大卒向けビザ緩和】の記事をご覧になったでしょうか?
日経新聞を購読していない方のために、記事の要点を後述しますが、私が強調したいのは、この報道が持つ“空虚さ”です。
香港に長年住み、中国と香港の関係を近くで見てきた経験から、このような報道が果たして本質的なものか、読者の皆さんに問いかけたいのです。
この記事は一見、中国が香港に建設的な関与を深める印象を与えます。
しかし、表面的な情報にとどまり、深層的な議論が欠けているのです。
中国共産党が、党益にならないことをすると思いますか?
これは単に内容が浅薄なだけではありません。
中国に対する配慮からか、記事が及ぼす影響を避けるため、必要な視点を欠いた“忖度”の産物とも感じざるを得ません。
私見ではありますが、日本のメディアがここまで慎重であるなら、もはや海外情勢に触れず、日本国内のゴシップだけを伝えるメディアにとどまるのではないかとすら思えてしまいます。
中国政府の香港への方針は、香港人にとっても、アジア全体にとっても重要な影響を持つ問題です。
その実態を理解するには、ただの情報提供にとどまらず、香港に生きる者としての“本音”を語る必要があります。
日経新聞が伝えられない現実を、香港の現地からお伝えしたいと思います。