新たに石破政権が発足し、米国の雇用統計も相まって、ドル円相場が150円に迫る局面を迎えています。

1日で4~5円も動く不安定な相場では、プロですら予測が難しく、一般投資家にとっても非常にリスキーな状況です。

 

こうした環境下、無数の情報に流されず、冷静な判断が求められます。

 

また、30年以上欧米の投資銀行で勤務した私の元にも、銀行、証券、保険会社の営業マンが頻繁に「外貨建て取引」や「為替リスクの高い商品」を勧めてきます。

 

余程儲かるのでしょう。

 

こうした商品の提案を受けた経験は、皆さんにもあるのではないでしょうか。

 

しかし、そこで一度冷静に以下の3点を考えていただきたいのです。

 

営業マンが言わない「資産を守るために押さえておきたい3つのポイント」

 

  1. 今の日本経済や賃金に基づく「適正なドル円レート」は? 為替レートに適正水準があるのか、またそれをどのように評価すべきなのか。
  2. 「良い円安・悪い円安」をどう理解するか 株価だけでなく、長期的な影響まで含めてどう判断するか。
  3. アナリストのコメントにどこまで頼れるか 銀行や証券会社のアナリストの意見を鵜呑みにせず、背景を理解することが重要です。

 

 

これらの質問に、明確な答えを持っている担当者がいるでしょうか?

もし答えがないようなら、その商品のリスクについて、再検討する必要があるかもしれません。

 

外国為替市場に現在も精通しているプロに同じ質問をしてみましたが、返ってきた言葉は、

 

答えはない。

 

為替レートを「適正」と決めるのは、快適な気温を求めるようなものである

以前に比べて夏が長いように思える、という現象があるとして、

 

 

1 .そもそも最も快適な温度は何度だ?

と聞いても意味がありません。

 

2 .どうすれば温暖化を止めて以前の温度に戻れるのか?

という議論も専門家以外は無意味です(為替の構造変化に関する議論)

そうだとすれば、

 

3 .天気予報が外れやすくなった理由、どのように暑さをしのぐか

(円安への対処法)を考える方が建設的である。

 

為替市場には固定の正解は存在しない。

 

日本円中心か米ドル中心か、また市場構造も含めて考えると、為替の変動要因は多岐にわたる。

強いて言えば、外国為替の答えは「環境に合わせた行動」にある。

 

 

今年は、欧米やアジアでも政権交代が相次ぎ、米国の大統領選挙も目前に迫っている。こうした動きが、為替市場にどのような影響を及ぼすか注視する必要。

 

イギリス

シンガポール

 

為替の短期的な変動要因をしっかり理解することは、今後の動向を見通す上で重要。

市場の変動要因がわかれば、どのように行動すべきかが見えてくるはず。

 

 

こうした激動の相場環境において、頼りになるのが「セレンの賢者」とも称されるSnow White氏の洞察です。

氏が過去にも強調している以下のポイントを再確認し、今後の市場の行動指針としてください(HP右の寄稿者アーカイブから「Snow White」をご選択ください)。

 

☞ 為替相場の賞味期限は超短期。1週間先でも相場予想に意味はない。
☞ 変動要因の理解が重要。ファンダメンタルズを押さえることが必要不可欠。
☞ ドル円相場での立場を見極める。天動説(日本円中心)か地動説(米ドル中心)の視点を明確にする。

 

Snow White氏の「マーケット定点観測」は今後毎週配信され、世界の最新動向をリアルタイムで学ぶ貴重な機会です。

SNSやメディアの断片的な情報に振り回されず、広い視点を持って冷静な判断をするためにもぜひご活用ください。

 

 

日本にいながらにして、為替市場の動きを客観的に把握し、大切な資産を守るための知恵を得るきっかけとなるでしょう。