日本政治に新風を巻き起こすリーダー、石破茂の真価とは?
第102代首相に就任する石破茂氏。その思想と行動は、これまでの首相とは異なり、新たな方向性を示す可能性を秘めています。
果たして石破氏が日本の政治にどのような影響を与えるのか。
彼の著書『保守政治家 わが政策、わが天命』を手にすれば、その政策方針の一端を知ることができますが、さらに深く彼の信念に触れたいなら、佐藤優氏が朝日新聞に寄せた寄稿記事(有料)を読んでみる価値があるでしょう。
佐藤氏と石破氏は同じプロテスタント信者であり、佐藤氏の洞察力は、石破氏の核心に迫ると評されています。
現時点で佐藤氏の考察に勝るものはないと、私が信頼する識者も評価しているほどである。
クリスチャン首相のルーツ:15年ぶりの信仰と政治の交差点
石破茂氏がプロテスタントの信者であることが、今では広く知られるようになっています。
彼の信仰のルーツは、同志社大学の創立者・新島襄の影響を受け、牧師となった曾祖父・金森通倫にまでさかのぼります。
日本でクリスチャンの首相が誕生するのは、カトリック信者であった麻生太郎氏以来、15年ぶりのことです。
異なる宗派でありながら、両者は日本の政治において他にはない存在感を放っています。
日本のクリスチャン人口は約1%と少数派であり、これまでクリスチャンの首相は数少ない存在でした。
過去に名を連ねる首相には、以下の二人がいます:
- 幣原喜重郎(第44代首相)
1945年から1946年にかけて首相を務め、戦後日本の外交政策を主導しました。
- 麻生太郎(第92代首相)
2008年から2009年の在任期間中、カトリック信者としてその存在が世界から注目されました。
宗教と政治は分離すべきだという声はありますが、宗教的背景が人の思想に影響を与えることは避けられません。
しかし、クリスチャンだからといって首相に不適切だという論は筋違いでしょう。
実際、クリスチャンの首相は少数であるものの、その存在は日本政治において特別な意義を持っているのです。
パンデミック再来の警鐘と石破政権の試練
先週末、元政府分科会会長の尾身茂氏が「パンデミックが再び起こる可能性がある」と警告を発しました。
新型コロナウイルスによる日本の死亡率が欧米より低かった理由について、彼は「日本人の民度の高さ」を挙げていますが、医療体制には改善の余地があると指摘しています。
特に、民間病院への支援が不足していたことや、医師の数が欧米に比べて少ないことが問題として浮き彫りになりました。
つまり、「準備不足」です。
石破氏が掲げる「危機に強い経済」を実現するためには、今後「予想される危機」や「ブラックスワン」に対して、どのような備えを固めるのかが、石破政権の試練となるでしょう。
長年、首相の座を追い求めてきた彼が、その責任をどのように果たしていくのか、私たちは政治リテラシーを高め、注視していく必要があります。
金融市場と今後の見通し
市場は早速、石破政権の政策に敏感に反応し、円高・株安の傾向が見られています。
解散総選挙の動向も視野に入れつつ、年内は相場が大きく揺れ動くことが予想されます。
後悔しない投資判断をするためにも、米国大統領選挙、FRBの動向、そして中国経済の状況を注視することが重要です。