2023年7月21日の日経新聞に掲載された「揺れた天秤〜法廷から〜」という記事には、「仕組み債 照準は高齢の母」というタイトルで、仕組み債に関する問題が取り上げられていました。

(関連記事:https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00011430W4A710C2000000/ (クリック)

 

この記事を受けて、私がどのような見解を持つのかという問い合わせが、数名から寄せられました。

かつて、大手外資系証券会社で、数百億円規模の仕組み債を組成するチームの長を務めていた経験から、見解を述べたいと思います。

 

まず、仕組み債の販売姿勢に問題があったことは認めざるを得ません。

日本の金融業界における「手数料」狙いのビジネスモデルにも問題があることは事実です。

 

しかしながら、この記事のように「仕組み債が悪」や「証券会社だけが加害者」といった一面的な報道は極めて愚かなものです。

 

このような浅はかな報道は、個人投資家にとっての「投資機会の損失」を招き、金融商品販売の改善には何も寄与しません。

 

それ以上に、こうした報道は「印象操作」を誘発する可能性が高いと言えます。

個人投資家を保護するためには、「魔女狩り」だけでなく、現場の実態を理解する必要があります。

 

現在の問題として挙げられるのは、仕組み債のリスクと魅力を販売会社だけでなく、記者や当局も理解していない点です。

 

この実態を無視して、証券会社だけを加害者とするのは不公平です。

このような低いリテラシーが蔓延すれば、金融機関への信頼を損ない、個人投資家は重要な投資商品を失うことにもなりかねません。

 

現状の証券業協会、当局、そしてメディアにおける「リスクへの理解」にメスを入れることが必要です。

これにより、「加害者リスト」が浮かび上がることでしょう。

 

その上で、個人投資家にとって最適な「仕組み債販売改善案」を提案したいと思います。

 

加害者ファイル 1. **金融庁**

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