私は火曜日の寄稿で、先週11日の6月米消費者物価(CPI)とその直後に実施されたとみられる為替介入を受けて、ドル円の転換点がようやく訪れた可能性が高いと論じました。
vol.511 ドル円にようやく転換点? FRBの利下げ観測と為替介入の相乗効果(クリック)
ただ、今後はトランプ氏が大統領選で勝利した場合の展開を市場がどのように織り込むかが不透明だと指摘し、市場ではトランプ政権の政策はドル高につながるという見方が一般的ではあるものの、トランプ氏自身は4月にドル高円安は「大惨事だ」と発言していたことに触れました。
この点については、(少なくとも短期的には)想定よりも早く結論が出たようです。
トランプ氏は16日に公開されたビジネス・ウィーク誌のインタビューの冒頭で、「我々は通貨の問題を抱えている」と発言し、円と人民元の弱さを問題視しました。
特に円安に関して建設機械のコマツがキャタピラーに対し有利になっていると具体的に批判しており、製造業を重視するトランプ氏にとって為替が重要な関心事となっていることが窺われます。
加えて、河野太郎・デジタル相は17日のブルームバーグの英語でのインタビューで、「円は安過ぎる。価値を戻す必要がある」と述べ、日銀に利上げを求めました。
そして、トランプ氏と自身の「見方はおそらく同じだ」と主張しました(河野氏は米国のジョージタウン大学を卒業しており、英語に堪能です)。