これまで、日本におけるビールの歴史や名前の由来、そしてビールに対する「誤解と偏見」についてお話ししてきました。
最後に、医学的な観点からビールに新たな理解を持っていただきたいと思います。
一般的に、糖質が高いということは太りやすいとされがちですが、実際にはそれは必ずしも正しいとは限りません。
ビールに関する、「誤解と偏見」を少し解消していきましょう。
確かに、ビールには糖質が多く含まれています。
例えば市販のハイボール缶(350ml)あたりの糖質は0~1gですが、同じ量のビールには10g以上の糖質が含まれています。
しかし、ここで重要なのは「GI値」です。
GI値とは、食品を摂取した時の血糖値の上昇度合いの指標です。
つまり、GI値が高いと血糖値が急上昇しやすいということを示します。
一般的な誤解として、「ビールは糖質が多いからGI値も高そうだ」という考えがありますが、実際にはそれほど単純な関係ではありません。
食品のGI値はその組成や摂取の仕方によって異なります。
言い換えれば、糖質の量だけでなく、その消化や吸収の速さが重要なのです。
単純に、「ビールは糖質が高いので、GI値も高そう」と思うことは、何の根拠もなく、「人相が悪いから人格も悪そうと思ってしまう」のと同じなのです。
具体的に説明しましょう。
アルコール飲料の中では、「ビールは優等生」