近年、地球温暖化や異常気象の影響が顕著になり、これに伴い私たちの生活に様々な影響が及んでいます。

気温の上昇が引き起こす熱中症は深刻な問題となっており、この1週間、私の大学病院には熱中症の緊急患者の搬送が急増中。

 

特に、特定の持病を持つ人にとって熱中症は命に関わる危険があります。

 

熱中症の症状が現れた場合、迅速な治療が求められますが、治療後に患者と話してみると、多くの患者が熱中症に対する理解不足や過信から誤解を持っていることが分かります。

 

この誤解が原因で、熱中症から持病が重篤化し、民間の病院に搬送された後、再び私たちの大学病院の総合医療チームに再搬送されるケースが後を絶ちません。

 

大学病院の総合医療チームは限られた医療従事者で構成されており、私立病院からの患者の丸投げが続くと、最大限の医療行為を施すことが難しくなります。

さらに、一部の私立病院は悪化しそうな患者の受け入れを拒否・転送する傾向があり、非常に問題を感じます。

 

このような状況を改善するためには、患者自身が正しい理解を持ち、「良い患者」となることが非常に重要です。

 

医師に完璧を求める前に、自らの健康と命を守るために、適切な知識を身につけることが求められます。

 

現在、テレビやSNSには様々な情報が溢れていますが、正しい情報を選び、一度でも頭に入れることで、熱中症から自分自身を守ることができます。

 

地球温暖化や異常気象といった大きな問題に対して個人ができることは限られていますが、少なくとも自分の健康を守るために必要な知識を身につけることはできます。

今回お話しすることが、健康を維持するための重要なステップとなる時間になることを切に願うところです。

 

(1)熱中症になりやすい持病の例:

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