ドル円が再び「じり安」傾向となっており、先週末には160円が目前に迫りました。

セレンの編集部を通じて、読者の皆さんから多くの問い合わせをいただいております。

結論から申し上げると、私は「短期的には円安の流れは最終局面に近い」と引き続き考えています。

 

もちろん、

  • 日米金利差
  • 日本の対外収支の弱さ(特にエネルギー関連の貿易赤字とデジタル赤字)
  • 新NISAによる外国株投信への資金流出

などを踏まえると、円が弱い通貨であることは間違いないでしょう。

 

しかし、こうした要因はすでに織り込まれており、市場を動かすのは常に「新しい材料」です。

 

6月22日付の日経新聞は「円じり安で159円台、ドル買いに勢い 為替介入に制約論(クリック)と報じました

(6/22 日本経済新聞朝刊)

 

この記事は、円の変動が小さい(「過度な変動」ではない)ことと、20日の米財務省の為替報告で「監視リスト」に日本が1年ぶりに加わったことで、為替介入が難しくなったのではないかと説明しています。

 

現時点で介入が難しいという点は特に異論はありませんが、以下の文章は,記者の市場に関する理解について疑問を感じさせるものでした。

 

「為替変動で損失を負うリスクが減り、ヘッジファンドなどが金利差を収益源とする円キャリー取引を手がけやすい環境だ」

 

日経は何でもヘッジファンドに結びつけて説明したいようですが、これは誤解を招く表現です。

 

ヘッジファンドは「最高レベルの投資のプロ」です。

プロの投資家から巨額の資金を預かり、非常に高い運用報酬を取ります。

 

そんなプロ中のプロが「金利差を収益源とする円キャリー取引」のような、誰でもできる取引を行って評価されるでしょうか?

 

実は、大規模なファンドには二種類あります。

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