私は25年間シンガポールに住み、シンガポール英語(シングリッシュ)を完全に習得した特異な日本人です。
現在、外資系銀行のプライベートバンカーとして、多くの日本の富裕層を担当しています。
日本政府が危機を感じ、15年程前から資金の海外流出規制を強化しましたが、すでに多くの日本人富裕層の資産をシンガポールに移しています。
規制強化後も、日本の富裕層からの「税金天国」シンガポールへの相談は増えています。
スイスの地位が低下する一方、シンガポールへの関心は高まっています。
まだ抜け穴はあります。
多くの日系企業はアジア進出にシンガポール拠点が必要で、多くの日本人駐在員を駐在させています。
しかし、シンガポールを理解している人は少なく、大半は表面的な理解で東京本部へ報告しています。
そのため、シンガポール人とのビジネス交渉に優位に立つことは難しいと言わざるを得ません。
明確な理由は不明ですが、日系企業間での業務成立や日本人社会での問題ない生活が可能であるため、日本人基準の思考が多いと思われます。
或いは、「村社会好き」なのか「外交下手」なのかもしれません。
事実、日本人駐在員が日本人とゴルフを楽しんだり、居酒屋で会議を開いたりする光景をシンガポールでよく見かけます。
これでは、駐在員の価値と意義が疑われ、野心的なシンガポール人から尊敬されることはありません。
今回は、メディアがあまり取り上げない「シンガポールの差別」について取り上げます。
シンガポールでのビジネス成功の一つとして「シンガポールの差別」への理解は不可欠です。
ただし、これが全てではないことをご理解ください。
知性と遺伝という差別