【健康な時期に考えておくべき問題であり、相続について考える前の課題かもしれません。】
ヨーロッパ各国で広く行われていた不妊手術やナチス・ドイツの「安楽死」は、国家強制によるものであり、自己決定権に基づく尊厳死とは関連性がありません。
しかし、ヨーロッパでは現在も「安楽死」という言葉に対する抵抗感が根強く残っています。
これは、私がヨーロッパで医師として勤務していた際にも強く感じたことです。
元々、安楽死を意味するeuthanasiaという言葉は、ギリシア語のeu(美しい、楽な、良い)とthanatos(死)が語源です。
つまり、古代ギリシャでは、安楽死はごく普通の行為だったということです。
毒ニンジンを飲み干して死を選択したソクラテスは、その代表的な例です。
この考え方に反対した医師が現れ、その信念が現在でも医学生に受け継がれています。
それが「ヒポクラテスの誓い」です。
この信念を理解することで、安楽死と尊厳死についてより整理された理解が得られます。
ぜひ理解していただきたいと思います。
そして、ヨーロッパからアメリカに広まった安楽死活動の流れも覚えておいてください。
後々非常に大切な理解となります。
古代ギリシャの医師、ヒポクラテスは、何よりも生命の尊重と延命を最重要課題としました。