私は飲食店を中国人に2度潰された。「潰された」という表現は語弊があるかもしれない。中国人を知らずに闘いを挑み、店を畳んだ。
最初は、バイキング・スタイルのしゃぶしゃぶ店を福岡市の博多地区に開店した。当時は、日本一利便性が良いとされる福岡空港から多くの中国人観光客が来ていた。
SNSの無い時代だったため、中国人留学生のバイトを多く雇用して中国人観光客の勧誘を依頼した。
もちろん、中国人観光客をアレンジするガイドだけでなく、バイト学生にもキックバックを渡していた。
大型バスが毎日3−4台もやってきたので、私は日本人客には目もくれず、中国人観光客のみをターゲットにして、12億人もの中国人の〇%が定期的に来てくれれば成金になれると心を弾ませていた。
しかし、毎日100人以上の中国人客が来店しているのに、利益は全く増えない。疑問に感じ、私もホールにできる限り出るようにした。そこで目にしたのは、しゃぶしゃぶの鍋にこれでもかという程の肉野菜を放りこみ、帰る時には大量の食材を廃棄している光景だった。