ロシアのウクライナ侵攻とイスラエルのガザ攻撃。

2つの戦争に停戦の兆しが見えてきました。まだ先行きは不透明ですが、潮目の変化に注目すべきだと思います。

まず、ウクライナ戦争では、米国議会でウクライナ支援の予算が通らなくなっています。

共和党の大統領候補指名争いで圧倒的にリードしているトランプ氏が「ウクライナ戦争を止める」と明言しているためです。

11月5日には、大統領選挙とともに議会選挙(上院の3分の1と下院全員)があります。

もしトランプ氏が大統領に再選されるような勢いとなった場合、ウクライナ支援に賛成した共和党議員はトランプ氏に逆らったとして落選する恐れがあります。

EUでは、ハンガリーがウクライナ支援に拒否権を行使してきましたが、2月1日にようやく合意に転じました。

しかし、米国からの支援がなければ、欧州だけでウクライナ戦争を継続することはほぼ不可能です。

元外交官の石井正文・学習院大学特別客員教授は、1月20日付の朝日新聞に掲載されたインタビューで、「トランプ氏という『劇薬』を使ってでもこの戦争は止めた方がいい。そうでなければ停戦のきっかけを失い、長期にわたって戦争が続き、結局、ロシアが有利になる恐れがあります」と停戦を訴えました。

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