本日、七十二候(※)では、東風解凍(はるかぜこおりをとく) の日です。
「東風」とは、春本番ののんびりと穏やかな風とは違い、まだ冷たさの残る早春の風のことです。春によく吹くと言われる暖かな東寄りの風が、川や湖の氷を解かし始める頃とされています。
「東風」といえば、菅原道真の和歌が有名です。
東風吹かばにほひをこせよ梅の花 あるじなしとて春を忘るな
(訳:わが家の梅の花よ。東風が吹いたら、私のいる大宰府まで匂いを届けておくれ。主人がいないからと言って、春を忘れてはならないよ。)
(英訳:My ume tree, could you please send your scent on the east wind? Don’t forget to bloom in spring even if I’m not here. )
道真を慕って、京都から大宰府へ、一晩で飛んでいったとされる飛梅(とびうめ)。現在も大宰府天満宮では御神木の白梅が有名ですが、じつは京都にあった梅は紅梅だったとか。どこで色が変わってしまったのでしょうか謎めいた梅です。