昨年末に日本の長期サイクルについての試論を寄稿したSnow Whiteです。
(年末の寄稿:「 長期サイクルで考える日本の成功と失敗 」 Vol 318日本の77年サイクル & Vol 320 世界の技術革新サイクル)
日本の転換点を考える上で、先週は注目すべきニュースがありました。
まず、岸田首相が現存する自民党で最古の名門派閥である宏池会(岸田派)の解散を表明し、これを受けて安倍派、二階派も解散の方針を決定しました。
日本共産党でも、20年以上トップの座にあった志位和夫氏に代わって田村智子氏が委員長に就任しました。こうした動きは、日本がいよいよ変革期に入った兆候なのかもしれません。
昨年のジャニーズ事務所の問題に始まり、宝塚や松本人志のスキャンダルなど、芸能界で従来のタブーを破るような報道が相次いでいることも重要だと思います。
エンターテイメントの世界には大衆の無意識が現れるからです。おそらく、人々は過去をリセットして新しい時代を迎えることを求めるようになっているのでしょう。
前の寄稿に対し、ありがたいことに感想を幾つかいただきました。その中に、日本の新しいサイクルを考える上で何か参考になるものはないか、という質問もありました。
長期サイクルについての原稿を書いた後、正月休みにふと思い出して、堺屋太一の晩年の著作を読み返しました。
堺屋は通産省(現・経済産業省)の官僚として1970年の大阪万博をプロデュースし、作家としては1976年に「団塊の世代」という言葉を作ったほか、多くの歴史小説を執筆しました。
1998〜2000年には民間人ながらも経済企画庁長官を務め、2008年の知事選挙に橋下徹氏を担ぎ出して大阪の政治を変えました。惜しくも2019年に亡くなっています。
そのように多くの業績を上げた方ですが、今こそ注目する価値があると私が考えるのは、「三度目の日本」に関する議論です。