1974年に、フィリピンのルバング島で第二次世界大戦終結から29年間フィリピン・ルバング島のジャングルに住み日本へ帰還した「小野田寛郎氏」を覚えているだろうか。彼の存在を絡め、「山下財宝」の話が私のところに舞い込んできた。ルバング島のあるエリアの地中に「山下財宝」があるので、通訳・現地作業員を用意してくれないかというものである。

依頼者は、小野田氏と同郷の高齢の資産家である。彼曰く、小野田氏は、県会議員の息子として育ち、漢語や英語が堪能だったことから軍の機密や大事な指令を実行する立場であった。そして何よりも、先に長期残留日本兵として帰国した横井庄一氏とは違い「天皇陛下より拝領された」銃剣を非常に大切にするなどの愛国心高い人間だったことから、何らかの国益となる財産を守るために同地に残留したと信じている。

おまけに、小野田氏が日本の生活に馴染めずブラジルへ移住後、同郷人と小野田氏がマット・グロッソ州テレーノス郡で営む牧場を訪れ3週間滞在した際に「大事なものを守るために残留した」と小野田氏が呟いたとのこと。そこで、依頼者は長年自己調査して、「山下財宝」だと思い込んだようである。

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