ニュースは、ときどき思いもよらない扉を開く。
最近、米国とイランの軍事的緊張を解説する番組で、ある国際政治の専門家がこう語っていた。
「中東政治では“メンツ”が極めて重要です。」
敗北することよりも、敗北しているように見えることの方が危険だという。
威信を失えば、国家は内部から崩れる。
この説明を聞いたとき、私はある生き物を思い出した。
アフリカの森に住む巨大な霊長類。
ゴリラである。

背中が銀色に輝く雄、いわゆる「シルバーバック」は群れを率いる絶対的な存在だ。
彼は王であり、父であり、守護者でもある。
そして驚くべきことに、その社会の統治原理は、現代の外交とどこか似ている。
