先週の本稿では、FOMCや日銀決定会合では大きなサプライズは想定されず、それよりも日米首脳会談の方が重要と論じました。
日米の中銀会合について簡単に整理しておきましょう。
FRBは10月29日に予想通りに25bp利下げを決定しましたが、パウエル議長は12月の次回会合での追加利下げは「既定路線」(foregone conclusion)ではないと明言し、米10年債利回りは4.0%前後から4.1%近辺へと上昇しました。
日銀は30日に6会合連続の据え置きを決定しました。
植田総裁は
(1)AI等の強さが予想以上であること、
(2)消費者への関税の転嫁が緩やかにしか進んでいないこと、
を理由に「今後の米国経済の下方リスクは、7 月にみていた頃と比べますと、やや低下した」という見方を示しました。
ただ、春闘の「初動のモメンタムを確認したい」と繰り返したため、市場では利上げに慎重と受け止められ、ドル/円は154円台へと円安方向に動きました。

日銀会合の前には、異例なことに米国側からの発信がありました。
米財務省は28日、前日のベッセント財務長官と片山財務相の会談について概要を公表し、「会談の中で、ベッセント長官は、アベノミクス導入から12年が経過して状況が大きく異なることを踏まえ、インフレ期待を安定させ過度な為替変動を回避する上での健全な金融政策の策定とコミュニケーションの重要な役割を強調した」と説明しました。
ベッセント長官は29日にも念押しするように、Xに以下のような投稿を行いました。
				