4月2日、トランプ氏の「相互関税砲」が世界の株式市場を震撼させた。
米ハイテク7銘柄だけで約112兆円が瞬く間に蒸発し、市場は阿鼻叫喚の様相を呈した。
それまでにも市場の潮目は変わりつつあったが、この数字は未曾有の衝撃を投資家に与えた。
その後、世界中の株式市場は、下落を続けた。
その渦中、私は偶然にも友人とZOOMをしていた際、日系証券会社の支店長と営業マンが、血の気の引いた顔で友人に弁明する場面に遭遇した。
彼らが自信満々に推奨した金融商品が、顧客の資産を容赦なく蝕んでいたのだ。
30年以上、国際金融市場の荒波に揉まれてきた私にとって、彼らが一体どんな弁明をするのか、否が応でも耳がそばだつ。
しかし、株屋ではない私でさえ、彼らが頻繁に口にする「ある言葉」に、底知れぬ違和感を覚えた。
「彼らは本当に金融市場を理解しているのか?」と。
その言葉は“調整”である。