前号では、日本の社債市場が極端な低利回りであり、信用リスクに対して歪んでいる現状を指摘した。
しかし、それをどう捉えるかは人それぞれである。
日本に資金が潤沢にあるため、日本経済は安定していると考える者もいれば、銀行が社債発行企業を強く支援しているため、倒産リスクが低く、預金や日本国債より利回りが良く、為替リスクがない魅力的な投資対象だと見る者もいる。
一方で、円の過剰発行により日本円の価値が低下し、結果的に個人の金融資産が目減りしていると懸念する声もある。
株式市場では機関投資家と個人投資家の条件がほぼ同じであるが、社債市場では歪みが激しく、個人投資家が資産を増やす機会が閉ざされているとする意見もある。
そこで、あくまでも個人的な見解として、個人投資家向け社債を購入する際のポイントを整理してみたい。
