ある日、一本の電話が鳴った。

数十年前に香港で知り合った証券会社の創業者が、久しぶりに訪ねてくるという。

 

91歳にして杖も使わず、矍鑠(かくしゃく)と歩く姿には圧倒される。

彼は、まさに生きる伝説のような証券マンだった。

 

「日経平均が5万円を超えても驚かない」

 

開口一番、そう語る彼の話には独特の理論があった。

 

証券マンは基本的に「買い」を推奨する生き物だが、彼の相場観は単なる営業トークを超えていた。

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