*寄稿者の要請により、編集作業は行っておりません。また、寄稿者の匿名性を保つため、編集部名義で配信しております。
数年前、日経新聞から「私の履歴書」の執筆依頼を受けました。
当時、私自身は恥ずかしさもありましたが、「社員や読者に少しでも役立つことがあれば」と考え、引き受けることにしました。
しかし、執筆は想像以上に大変なものでした。
取材は14カ月以上に及び、その間、執筆が進行中であることは「他言無用」とされていました。
執筆の意図を周囲に説明できないため、古い写真や人名の確認をするたびに「何をしているのですか?」と不審がられることもありました。
周囲に気づかれないように進めるのは、想像以上に気を使う作業でした。
そのような苦労もありましたが、編集者の支援もあって、最終的には無事に掲載へと至りました。
しかし、完成した連載には、私が本当に伝えたかったことの多くが含まれていませんでした。