先週の為替市場では1ドル=153円台までドル高・円安が進みました。
これは米10年債利回りが4.40%と3週間振りの水準まで上昇する一方、日銀の利上げ観測が後退したためです。
来週の19日には、早朝(米国では18日午後)にFOMC、正午近くに日銀の決定会合の結果がそれぞれ発表されます。
金利の方向性としては、米国は利下げ、日本は利上げですので、本来はドル安・円高となってもおかしくないような局面のように思えます。
FOMCでは0.25%の追加利下げが決定される見通しですが、FRBの経済・金利予測やパウエル議長の記者会見では従来の想定よりも利下げの最終地点が高くなることが示唆される可能性があります。
一方、日銀については、植田総裁は11月30日付の日経新聞のインタビューでは次の利上げが「近づいている」と語っていましたが、今では(12月が先送りされるだけでなく)1月に利上げを行うかどうかも不透明という見方も出ています。
例えば、12月13日付の共同通信の記事は、「日銀が利上げの条件とする経済や物価は想定通りに推移している」としながらも、「米経済の先行きに不透明感が高まっている上、25年春闘の賃上げ動向も確認したい考えで、利上げを急ぐ必要はないとの判断に傾きつつある」と伝えており、本当の「利上げの条件」がよく分からなくなっています。
この点が植田総裁の会合後の記者会見で明らかにされることを期待したいと思います。
私が気になっているのは、12月に入って円が欧州通貨に対しても下落していることです。
11月には「トランプ・トレード」が盛り上がるなか、ユーロ・円は165円台から156円台までユーロ安・円高が進んでいましたが、先週には161円台まで戻っています。
ドル、円、ユーロの3通貨のうち、円は再び最弱通貨になっているのです。