日本ではイスラム教に対する偏見や誤解が依然として存在しています。
しかし、イスラム教徒の信者数は世界人口の約25%に相当する20億人に達し、近くキリスト教を抜いて世界最大の宗教となる見通しです。
イスラム教に改宗した日本の元メガバンク銀行員に、イスラム教の基本的な知識についてお聞きしました。
本稿は、提供者の意向に準じ、編集を行っておりません。
私は東京の世田谷区で生まれ育ち、普通の日本人として過ごしてきました。
一浪の末、慶應義塾大学に入学し、充実した学生生活を送りました。
卒業後は大手邦銀に就職し、アメリカの大学院へ派遣されました。
その後、ニューヨーク、シカゴ、ロンドンでの駐在も経験しました。
特に深く考えなければ、銀行内でそれなりの地位に就き、退職後も企業年金で夫婦で安定した生活が送れたと思います。
しかし、ロンドンでの駐在経験から「人生の目的と意義」について考えるようになりました。
日本で最大の銀行にもかかわらず、国際金融市場での存在感があまりにも小さいと感じたことがきっかけでした。
それは、世界の政治、文化、商慣習を十分に理解せず、欧米金融機関のリードに従っているためだと考えました。
その後、イスラム金融に携わることになり、イスラム教徒と2年間密接に関わりました。
その中で、自分と彼らの人生観の違いに気付きました。
私の人生は学校、仕事、友人との時間で構成されていましたが、彼らは家族を中心に生活していました。
家族の核は夫婦であり、仕事や学校、友人は二の次でした。
不倫や売春を平気で行っていた自分が恥ずかしくなりました。