この数日、この報道が新聞・テレビなどで配信されており、気になった方もいるだろう。

「三菱UFJ銀行などに行政処分行うよう 監視委が金融庁へ勧告検討」

報道によると、

勧告の対象とされているのは三菱UFJフィナンシャル・グループの三菱UFJ銀行と三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券の3社。 三菱UFJ銀行と証券会社2社は、2021年ごろ、国内の素材メーカーの海外企業との事業統合に関する情報など、顧客企業の非公開情報を顧客の同意を得ずに共有していた

 

国際金融市場に30年近く勤務した私には、「やっと三菱FGまで調査が及んだか」である。

本の銀行グループで、三菱FGほど保守的な銀行はない。

三菱FGは、SMBC FG/みずほFGのような合併行内での政治競争もなく、旧三菱銀行人材が政策を決めており、行内バランスが保たれている銀行である。

 

そして、不動産融資にも市場投資にも消極的スタンスであり、他行との収益競争にも興味も示さない凛とした銀行である。

日本最強の安定した金融グループと市場では評価されている。

そのような金融グループでも、どうしてこのような事が生じたのだろうか?私は、25年メガバンクに勤め、地方支店長を4店舗歴任した。そして、最後は、地方銀行との連携事業模索担当も経験した。

銀行の情報漏洩については、私には、直ぐ分かる話である。銀行の情報漏洩は、簡単に消えるものではない。

 

一方で、3大メガ銀行以外の他の銀行(特に地方銀行)では、顧客情報は、常日頃から漏洩していると推してもいい。

銀行の特異体質に大きな改革や変化が見当たらないからである。

 

いつも3メガバンクだけに調査が入るのも、市場への影響度に鑑みれば、管理当局の思惑は解らないでもないが、「みせしめ」「監査当局の手柄」とも映る。

 

後述するが、全銀行を対象にしたら、相当数の証拠が出てくることは間違いない。

何故一斉にしないのだろうか?

 

日本の銀行の特異体質である。一般人にとっては、受け入れ難い企業文化などである。

 

実は、地方銀行ともなると、更にひどい状況である。

しかし、それが日本なのである。経営者・富裕層(特に地方在住)の方は、理解してもらいたい話である。

地方銀行担当役員と、懇意にし過ぎていると、明日は我が身であるからである。

 

邦銀の3大特異体質

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