シンガポールの「各種の差別」について、述べてきました。
誤解されたくないのは、 「シンガポールを非難したいわけではない」ということです。
既に25年以上住んでいるので、愛着もあります。
しかし、急速な経済成長を遂げた国ですので、不満がない訳でもありません。
特に、エチケットの不足が否めません。
私自身が他人の行動を指摘する立場ではありませんが、何でも金儲けの思考回路は、未だに受け入れることができません。
そして、食事の所作というか、食べ方のマナーは、まだ発展途上国です。
その点では、香港人には未だ勝てていません。
不満があるのに、何故シンガポールに私はい続けるかというと、相続税やキャピタルゲインへ税がなく、所得税率も非常に低いというメリットに負け、25年も滞在し続けているのが本音です。
この10年の急速な経済成長は、シンガポール国民に富を与えました。
特にこの5年の世界一の上昇と言われる「 不動産バブル 」は、多くのシンガポール人は、ミリオネアになったはずです。
私がシンガポールに移住した25年前、日本の銀行のシンガポール支店で年収400万円で勤務していた友人(華人)は、この10年、銀行からの融資を受け続け、不動産と株式へ投資を積極的にしていました。
結果、52歳でリタイヤし、今は毎月海外旅行に行き、3000万円もするテスラを2台手に入れ、3人の子供をイギリスの私立大学に留学させています。
そして、当然のように、お手伝いさんを5人も雇っています。
先月会った時は、ワインへの投資を大々的にしていました。
呆れるほど、金儲けが好きなようです。
彼は、「僕は、平均より少し稼いだくらい」と謙虚に言います。
一方で、
「父が高学歴ではない僕は、猛勉強してシンガポール国立大学卒業したが、一代での学歴では、シンガポールではチャンスはもらえない」
「これでお金というパスポートを得られたので、子供達は十分なチャンスが得られるだろう」
と意気揚々と語っていました。
現在のシンガポールは、経済状況が好況であることは間違いありません。
しかし、この経済状況が生んだ新たな「差別」があります。
それは、「富の差別」です。
具体的な例を紹介します。